ASAメールvol209 2023年2月16日

 



「私たちの暮らしと図書館」U・I

皆さん、こんにちは。UIです。今回は八王子市中央図書館の太田さんに取材をさせていただきました。市内の図書館にはあまり出向かないのですが、大学にある図書館は大好きでよく足を運びます。課題をしたり、本を借りたり、たまに映画を借りて見ています。でも、本を返しに行くのが面倒で、返却日ギリギリまで返さないこともしばしば。逆に勉強をするためだけに図書館を訪れることもよくあります。皆さんは、図書館をどのように利用されていますか?太田さんは八王子の皆さんが読書に親しみを持ってほしいとの想いを胸に、図書館と市民の方との繋がりなど様々なお話をしてくださいました。自分なりの利用方法がある方も、あまり利用されない方も図書館の魅力を改めて知り、読書について興味を持っていただければ幸いです。

まず、太田さんは、図書館が時代に即して少しずつ進化していることをお話してくださいました。例えば、電子ブック。図書館にある読みたい本を電子ブックとして読むことが出来るアプリがあります。そこでは、自動で返却をされるため現地に行く必要がありません。また、電子ブックを普及させていくことで、障害を持っている方が読みやすい環境を作ることにも繋がっていくそうです。目の見えない方のために、読み上げ機能、体が動かない方のために自動でページをめくる機能など、バリアフリーに貢献しています。しかし、録音図書と呼ばれる読み上げ機能の付いた本は、ボランティアさんと協力しながら製作を行っており、全国で貸し出し出来るシステムになっています。便利な世の中になることで、色んな人が図書を楽しめる世界になっていくことはとても素敵ですし、便利な世の中にしていくために活動してくれている方の存在も尊いと感じます。また、図書館の絶対に喋ってはいけないというイメージを払拭し、リラックスして楽しんでもらうために音楽を流す、カフェを併設するなど、街の居場所になれるような様々な案も出ているようです。また、イベントを通して地域の人たちと関わっています。例えば、高齢者安心センター追分さんとコラボした幸齢者サロン。図書館にある会議室で、お茶を飲みながら、認知症などに関する知識を得られるセミナー形式のイベントです。その他、クリエイトホールで開催されるバリアフリー上映会(障害のある方でも楽しめる映画を上映するイベント)など様々なものがあるそうです。本を借りずに勉強するだけ、そのイベントだけ行くなどでも大丈夫だから気軽に立ち寄ってほしいとのことなので、皆さんぜひ行ってみてください。

ところで、皆さんは本をどのくらい読まれますか?私は文学部なので本を読まなくては いけない立場にあるのですが、満足が行くほど読むことができません。近年、よく耳にする若者の読書離れについて、八王子市は読書推進計画を出していることを太田さんが教えてくれました。文字や情報の力は私たちの心や経験、行動の基礎になるものが多く、それを侮ってはいけないとは誰もがわかっているものの、なぜか本が読みづらい。評論は専門的なものが多くて難しい。日本近代文学はなんだか暗くて、読む気がしない。児童文学は子供向け。外国文学は地形や地名に馴染みがないから読みたくない。本の数だけ、様々な偏見があるのかもしれません。でも、児童文学として扱われているドイツの作家が書いた「モモ」という作品は大人になっても胸に響くものがあります(私はこの作品を読んだとき、とても泣きました)。また、日本近代文学は社会、感情の中で揺れ動く登場人物、もとい、作家たちの葛藤がありありと描かれていて、その人たちの生きた証を感じるという意味では、とても繊細で、血肉のある言葉の衝撃は計り知れないと思います。でも、こういうことは、やっぱり誰かに紹介されないと分からないことが多いです。図書館の司書さんに聞いてみたり、特設コーナーをのぞいてみたり、あるいは本屋さんのポップに注目してみたりするのもいいかもしれません。それから、もしよければコメントで皆さんのおすすめの本、作家さんを教えてください!ちなみに私のおすすめの作家さんは香月日輪さんという方です。

かなり話が逸れてしまいましたが、図書館はすべての人に対して平等に開かれている場所であり、人生の豊かさを向上させていくことができる場所です。太田さんは「手当てで“生きていくこと”はできるけれど、趣味が充実しないと面白くないと思う。様々なイベントを行うことで、皆さんの“生きがい”を作っていく図書館でありたい」「図書館の自習室を使って勉強するみたいに生活の中に図書館の存在があればいい。図書館の自習室で勉強した思い出がまた街を作っていくと思う」と最後にお話ししてくれました。私たちの生活は、以前よりも利便性が向上し、モノや情報で満ち溢れています。その中でそっと私たちを支えてくれている図書館の温かさはかけがえのないものですね。



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