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ASAメールvol.250 2026年7月16日 桑の葉パン

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  「朝摘みの桑が、目の前でごちそうに」S・A 先日開催された「まちの縁側」で、株式会社創輝の飛田社長が、八王子の特産であり、日本で唯一食用として利用できる桑の新芽を使ったナムルを振る舞ってくださいました。 私は、あらかじめ調理されたものを持って来られるのだと思っていました。ところが実際には、その日の朝に摘んだばかりの新鮮な桑の新芽を持参され、その場で調理が始まったのです。 桑の新芽に、にんじんや玉ねぎを合わせ、桑の塩で味を調えながら、熱い厨房で手際よく調理される飛田社長。その姿は、桑の葉をあしらったワッペン付きのエプロンも相まって、とても印象的でした。 出来上がると、「失敗したかな」と笑顔で話されていましたが、その言葉とは裏腹に、とてもおいしいナムルが完成しました。 ひと口食べてまず感じたのは、野菜本来のやさしい甘さです。そのままでも十分おいしかったのですが、「パンに挟んで食べてみてください」と勧めていただき、パンと一緒に味わうと、にんじんや玉ねぎの甘みがより一層引き立ちました。 その味をまとめていたのが、桑の新芽です。苦みや青臭さはほとんどなく、お茶を思わせるような爽やかな風味が広がります。そのさっぱりとした後味が野菜の甘みを引き立て、最後まで飽きることなく味わうことができました。 さらに、桑の葉を使ったおまんじゅうも差し入れしてくださいました。甘さはしっかりとありながらも、桑の葉の爽やかな風味のおかげで後味は軽やかです。思わずもう一つ手が伸びるおいしさでした。 今回の試食を通して、桑の新芽は料理にもパンにもよく合い、健康にも良いとされる魅力的な食材であることを実感しました。八王子の特産である桑には、まだまだ新しい可能性が秘められているのかもしれません。 現在は、桑の葉を使ったパンの開発も進められています。どのような商品が完成するのか、今からとても楽しみです。   「八王子の「桑」を使った新商品を試食!」K・S 9月6日に開催される「桑の日ウェルフェス」に向け、「パン工房 ボンシュシュ」では八王子の桑を使った新商品の開発が進んでいる。今回は、その試作品を試食し、お話を伺った。  横山町にある店内に足を踏み入れると、店内には、夕方から販売されるパンが並び、詰め合わせパックを選ぶお客さんの姿も見ら...

ASAメールvol.249 2026年6月16日  まちの縁側

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  あなたのお隣さんとゆる~くつながれる居場所「まちの縁側」 K ・ S   今回紹介するのは、私たち西川ハンナゼミが「まちの駅八王子 CHITOSEYA 」とともに開催している「まちの縁側」です。この取り組みは、地域に暮らす人々が気軽に集い、ご近所同士がゆるやかにつながる居場所づくりを目的としています。 5 月 14 日 17 時 30 分から、第 1 回目となる「まちの縁側」が開催されました。当初私は、どんな方が来てくださり、どんなお喋りをしようかと、わくわく半分、どきどき半分で向かっていました。 実際に参加してみると、まず参加者同士で自己紹介を行い、その後、「八王子今昔双六」を囲みながら、八王子の歴史や文化、地域の魅力について語り合いました。世代を超えて交流が生まれ、それぞれの思い出や地域への思いを共有する時間となりました。 「今日はどんなふうに過ごしていたんですか?」 「昔の八王子はね、駅の近くに大きなデパートがあったんだよ。」 そんな何気ない会話が飛び交う中、この集まりに参加してくださったオレンジカフェ利用者の方が、 「一人で家にいるより、断然楽しい」 と笑顔で話してくださいました。 その言葉を聞いたとき、人と人がつながる場の大切さを改めて感じました。特別なイベントではなくても、誰かと同じ時間を過ごし、言葉を交わすことで生まれる温かさがあります。私もその言葉を聞いただけで、「ここに来た意味があったな。 この場に参加できてよかった 」と心の底から思いました。 「人と話す」ことは決して特別なことではありません。しかし、人と話すことでしか得られない安心感や喜びがあります。地域の中に、このような気軽に立ち寄れる場所があることは、日々の暮らしを少し豊かにしてくれるのではないでしょうか。 先日、「まちの駅八王子 CHITOSEYA 」の店長・佐藤さんに、「まちの縁側」ができた経緯や、そこに込めた思いについてお話を伺いました。 佐藤さんは、 「ふらっと立ち寄ってみれば、ありのままの自分で人と交流できる。そんな居場所に、まちの縁側がなったらいいなと思います」 と語ってくださいました。 実際に参加してみて、その言葉の意味がよく分かりました。ここには、無理に頑張らなくてもよい空気があります。だからこそ、人と人との自然なつながりが生まれるのだと思います。 ...

ASAメールvol.248 2026年5月16日  まちはぐ

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  「何度でも、人ははじまり直せる」 M ・ A その日、私は「心地の良い春の日向」に出会った。 止まっていた時間が、そっとほどけていくような空気だった。 八幡町の「シェアキッチン&シェアスペース まちはぐ」で取材をし、話を聞くうちに、自然とそう感じていた。やわらかな空気は、気づけば心にすっと染み込んでいた。 しなやかで、どんな形にもなじむようなやさしさが、静かに残っていた。 まちはぐは、 2022 年にマンションの共用スペースから始まった。地域の人々がつながる場所であり、将来お店を持ちたい人が一歩を踏み出す場所でもある。ここには、「やってみたい」という思いを受け止める土台がある。 取材の中で心に残ったのは、ある女性の話だった。認知症と診断され、以前のように動けなくなった自分に戸惑い、深く落ち込んだ時期があったという。 しかし、「 DAYS BLG! はちおうじ」と出会い、少しずつ変化が訪れた。仲間やスタッフと関わる中で、本来の自分を取り戻していった。そして、このキッチンで働くうちに、自分の役割を見つけていった。 今では、困っている仲間に自然と声をかけ、現場を支える存在になっている。 さらに、同じような境遇の人がいたら、自分が救われたように寄り添い、好きな飲み物を出して話を聞きたいと語っていた。 誰かに支えられていた人が、やがて自信を取り戻し、今度は誰かを支える側になる。 そのやさしい循環が、この場所には流れているように感じた。 ここでは、「認知症だから何もできない」のではない。認知症であっても、できることがある。その「できること」を大切にすることで、人はもう一度、自分の役割や居場所を見つけることができる。 スタッフの方は、「誰もが自分らしくいられる場所をつくりたい」と語っていた。食事や会話といった何気ない時間の中に、人と人とのつながりが生まれている。 まちはぐには、特別なことはないのかもしれない。けれど、あたたかいご飯や何気ない会話、小さな出会いが、日常を少しだけ特別なものにしてくれる。 そしてこの場所は、「やってみたい」という思いを大切にし、誰もが一歩を踏み出せる場所でもある。 まちはぐは、地域と人をつなぐ場所でもある。小さな関わりが積み重なることで、まちは少しずつやさしくなっていくのだと思う。 取材を終えて帰る時、私は気づいた。まちと仲良くなる方法は、...

ASAメールvol.247 2026年4月16日  100年フード

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  「当たり前だった石狩鍋が、特別だったと気づくまで」  M ・ A 今回は「 100 年続き、 100 年後にも残していきたい料理」というテーマのもと、自分の出身地である北海道の料理について振り返ってみたいと思う。 まず、調べていく中で思い出したのが「石狩鍋」である。 石狩鍋は、その名の通り、サケで有名な北海道・石狩川河口付近にある石狩地方で生まれた郷土料理で、サケやキャベツ、大根、味噌などを使った漁師料理である。 この地域では江戸時代からサケ漁が盛んに行われており、大漁を祝う際、漁師たちは獲れたてのサケのぶつ切りやあらを、味噌汁の入った鍋にそのまま入れて食べていたといわれている。 昭和 20 年代頃になると、石狩市の地引き網漁が「北海道の水産業の象徴」として注目され、多くの観光客が訪れるようになった。その際に振る舞われた石狩鍋が好評を博し、全国的に知られるようになったとされている。 現在では北海道内でも広く親しまれており、寒い冬の定番家庭料理となっている。家庭によって具材はさまざまで、玉ねぎや長ねぎ、しいたけ、豆腐などが加えられることも多い。また、バターを加えてコクを出す食べ方もある。 このように多くの人に愛されている石狩鍋は、北海道の小中学校の給食にも登場する料理である。 しかし今となっては懐かしい思い出だが、当時小学生だった私は、石狩鍋が献立表に載っていても特に喜ぶことはなかった。今思えば贅沢な話だが、日本海側の港町で育った私にとって、サケは特別な食材ではなかったからである。 それは他の子どもたちも同じだったようで、石狩鍋の日に特別な盛り上がりはなかった。しかし、カレーライスやフルーツポンチの日には、それこそ “ 大漁祝い ” のような盛り上がりを見せていた。 その地域では、朝食にサケの塩焼きや照り焼きが出ることも珍しくなかった。だから当時は、その価値に気づくことができなかったのだと思う。 今振り返ると、上京してから「鮭が普通に出る食卓」が当たり前ではなかったことに気づき、少しもったいないことをしていたと感じている。 また、豚丼が北海道・帯広発祥の料理であることや、ミートソーススパゲティの上にカツをのせた「スパカツ」が釧路の料理であることも、今回初めて知った。 もし当時の自分に伝えられるとしたら、「...

ASAメールvol.246 2026年3月17日

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「春休み、家族と私を笑顔にする『京の桜』」  T ・ M 大学の春休みに帰省する新幹線。私の目的地は大阪ですが、降りるのはいつも一駅手前の京都駅です。 私の地元は大阪の北の方にあり、実は新大阪へ行くよりも京都に出る方が近いのです。そのため、春休みと桜の開花時期が重なると、家族で京都へお花見に出かけるのが恒例になっています。 一番の思い出は、やはり鴨川沿いの桜です。川に沿ってずらりと並ぶ桜並木は、どこを切り取っても美しい景色。見上げると、空がピンク色の花びらで埋め尽くされ、まさに「桜のトンネル」です。そんな景色を眺めながら、近くのお弁当屋さんで買ったお弁当を広げ、家族と一緒に外で食べる時間は、どんな高級料理よりもおいしく感じられます。                                                    もう一つ、写真には残せていませんが、心に強く残っている場所があります。八幡にある「背割堤(せわりてい)」です。 以前「京都やわた背割堤さくらまつり」を訪れたとき、会場は屋台で賑わっていました。中でも印象に残っているのは、桜を見上げながらお抹茶をいただいたことです。外で点ててもらった温かいお抹茶を味わった記憶は、今でも鮮明に思い出せる、私にとって大切な思い出です。そこには、目に映る以上の美しさがありました。 皆さんの思い出の桜は、今どこで咲いていますか。もし関西に来る機会がありましたら、ぜひ私の大好きな桜の景色を探しに、京都まで足を伸ばしてみてください。 大阪生まれの私にとって、京都の桜は「帰ってきたんだな」と実感させてくれる、優しくて温かい存在です。 「ASA メールとわたし」Y ・ H お久しぶりです。 YH です。今月号をもちまして、学生ライター部を卒業することになりました。約 2 年という短い期間でしたが、さまざまな経験をさせていただきました。 ライター部としての一番の思い出は、初めて参加した高尾山の取材です。私自身にとっても初めての高尾山であり、これからど...

ASAメールvol.245 2026年2月16日 「私の好きな八王子」

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  「滝山城跡を訪れて気づいたこと」  F ・ K 昨年の春、「戦国時代の名城 滝山城入口」という看板を見つけました。気分転換がしたかったことと、城とはどんな場所なのだろうという好奇心から、行ってみようと決めました。のんびりと草を食む白ヤギの横を通り過ぎると、竹が生い茂る自然のトンネルのような道が現れました。ジブリの世界のような雰囲気にワクワクしながら足を進めると、すぐに後悔しました。とにかく坂がきついのです。「城」とある通り、お殿様が住む場所なのだから、簡単に入らせてくれるわけではないのだと身をもって感じました。その日は晴れていて風も強く、足元がぐらついて道脇にある堀に落ちたらどうしようと、ビクビクしながら登りました。 坂を登りきると、「千畳敷」という開けた場所に出ました。木々に囲まれた芝生の空間で、春に訪れたからか、タンポポがたくさん咲いており、街と切り離された静かな場所のように感じました。千畳敷を過ぎ、ようやく中の丸にたどり着くと、そこは千畳敷よりもさらに開けた場所で、桜の木々が並び、落ちた花びらが絨毯のように広がっていて、まさに「春」といった雰囲気でした。そして何より、中の丸から見える街の景色は圧巻でした。 私はそれまで、大学と家を往復するだけで一日が終わる生活を送っていました。しかし、この景色を見て、八王子はこんなにも大きく、広い街だったのだと実感しました。かつてここを治めた北条氏照も、同じようにこの景色を眺めていたはずです。そしてこの場所で、八王子の未来や人々の暮らしへの責任を背負っていたのだと思います。それに対して私は、就職活動や人間関係の悩みから少し離れたくて、ここを訪れていました。殿様と自分との立場の違いに面白さを感じる一方で、考える規模の違いに切なさも覚えました。 慣れない坂を登ったせいで筋肉痛にはなりましたが、今度もう一度、この景色を見に行こうと思います。大学と家の往復で狭くなっていた自分の視野を、広げてくれる場所に出会うことができたからです。ぜひ、桜の咲く春の時期に訪れてみてください。入口では、きっとあのヤギが出迎えてくれるはずです。 学生の街・八王子を支える一杯』  H ・ S  西東京バス「中野市民センター」近く、工学院大学に沿ってかすみ学園通りを下ると、ひときわ目を引く黄色い看板が現れます。夕方の食事時に...

ASAメールvol.244 2026年1月16日 「八王子と福祉のまちづくり」出版記念トークイベント

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  「まちに関わるということ〜イベント参加からの気づき」  M ・ A 大学 2 年生の私は、西川先生にお声がけいただき、八王子市中心市街地で行われたイベントに参加させていただきました。 参加前は、地域福祉やまちづくり、地域連携といった言葉の意味自体は理解していましたが、実際にどのような人たちが、どのような関係性を築きながら活動しているのかを具体的に想像できていませんでした。しかし、本を読み、イベントでの発表を聞き、地域の方々の話に触れていく中で、その印象は大きく変わりました。 七夕飾りでは、多言語短冊を通して、年齢や国籍といった枠を超え、それぞれ異なる背景を持つ人々が同じ空間に集い、和やかな雰囲気の中で一体感を生み出していることが分かりました。願い事の多くは、健康や家族、日々の安心を願う素朴で微笑ましいものだったといいます。こうした日常の中にある声や存在に気づく力こそが、今後の自分にとって大切であり、地域とつながるために欠かせないと、この体験を通して実感しました。 また、紹介された「桑の日」イベントでは、八王子の養蚕や絹産業の歴史が、健康やウェルビーイングという現代的なテーマと結びつけられていました。地域の歴史的出来事が現在の地域課題と結びついて、そこから新たな価値を生み出している点は、第 6 章で語られる「ヒストリカル・ブランディング」の具体例であると感じました。 さらに印象的だったのは、大学、企業、地域住民、福祉作業所、学生といった多様な人々が、一つの目的のもとで継続的に関わり続けてきた点です。経済的価値だけでなく、地域のつながりや参加する人の自己有用感を重視する姿勢は、「ソーシャルパーパスによる共通価値創出」という考え方そのものだと理解できました。 西川先生の著作『八王子の福祉とまちづくり』は、こうした実践を理論的に整理し、「地域 × 福祉 × 大学」がどのように社会的価値を創出しているのかを丁寧に示しています。イベントへの参加を通して、自分自身がこれから地域とどのように関わっていくのか、そのイメージが現実の風景として立ち上がってきました。地域との関わりを考えたい人に、ぜひ読んでほしい一冊です。 『地域とつながる』  I.R 今回のトークイベントは、私が所属しているゼミ、西川ハンナ先生が書かれた本の出版を記念して行われました...