ASAメールvol203 2022年8月16日





 

「日本初の食用桑『創輝』が創り出す、美味しく健やかな生活」YR

  55年の歳月をかけて品種改良された、日本初の食用クワ品種『創輝』。「桑都」と称され、養蚕や織物で発展してきた八王子地域の学生ライターとして取材しないわけにはいかない!ということで、今回は桑の青汁『創輝王』の販売を手掛ける創輝株式会社を取材させて頂きました。桑の葉の収穫体験の感想と、生活を豊かに彩る『桑 創輝』の活用法についてお伝えします!

 7月下旬のある日、午前9時から桑の葉の収穫を体験しました。桑『創輝』の栽培は、八王子市内の6か所の農園にて、農薬不使用の有機栽培で行われています。今回はそのうちの一つの農園にお邪魔しました。収穫作業がとても丁寧に行われていたことが印象的でした。たくさんの桑の葉を一枚一枚注意深く見ていきながら、穴が開いておらず、枯れていない葉を収穫していきます。味に影響が出ないように茎をしっかり切り落とすことからも品質へのこだわりを感じました。桑の葉のにおいや大きさ、葉の濃い緑色と空の青の鮮やかさ、蚊取り線香のにおいと日差しの暑さ、そして休憩中の農家の方々とのお話やアイスなど、収穫体験が一つの夏の思い出となりました。収穫後に飲んだ桑の青汁は飲みやすさと美味しさがあり、暑さでほてって疲れた体にしみわたりました。

 続いては、桑『創輝』の活用法についてです。取材では、収穫した桑『創輝』のパウダーを活かしたアレンジ商品がたくさんあることを知りました。食べ物では、ロールケーキやティラミス、ズッキーニのバター焼きや、卵焼きとなんでも使えるそうです。飲み物についても、スムージーや桑の葉ラテ、そして二日酔いに効果的という『創輝』の特徴を生かして梅酒割などのお酒に入れることもおすすめなのだとか。更には、『創輝』で染めたストールも見せて頂きました。絹の手触りと創輝の緑色が掛け合わされていて、とても素敵な織物でした。

『創輝』を活かしたアレンジ商品は、八王子の飲食店でもメニュー展開されています。読者の皆様も『創輝』を使って生活に健康と彩りを加えてみてはいかがでしょうか。投稿をお待ちしています!

 



 

 


「商品が並ぶまでの舞台裏とその魅力」YA

本格的な暑さがやってきた7月中旬に、朝早くから作業をしているという桑の葉の収穫に参加させていただきました。葉の切り方から収穫に適した葉に関する指導など、初めての経験に新鮮さを感じつつ、楽しみながら行うことが出来ました。途中、アイスや飲み物の差し入れも頂き、あれもどうぞこれもどうぞと色々と気に掛けてくださる農家の方々に、まるで田舎の祖父母のような感覚を覚えつつ、ジブリの世界を思い出しました。

作業中は、虫食いや蜘蛛の巣などが張っていないかといった葉の状態の確認や、葉についた小さな虫たちに苦戦し、なかなかペースを早くすることが出来ませんでした。一人ひとりに配られた桑の葉を約10kg入れられる段ボールにも、まだ半分程度の桑の葉しか埋まっておらず、長い時間収穫しているはずなのに…!とまるで時間が止まっているような気分に陥っていました。

そんな中ふと隣の農家の方の作業を覗くと、葉の状態の見極めからカット、それらを段ボールに入れるまでの速度が桁違いに速く、1時間程度で段ボールに山盛りとなった桑の葉の様子があり、この瞬間は暑さも忘れ、プロの技にしばらく見入ってしまいました。そこからは可能な限り段ボールの中を埋めてやるとの想いでラストスパートをかける形で黙々と作業を行い、10kgまでとはいかなかったものの、多くの量を収穫することが出来ました。

その日は帰ってからも蚊取り線香の匂いが鼻から離れず、久々の足の裏の痛みに中学時代の部活を思い出しましたが、農家の方々同士で笑い合っている様子や、互いに気遣い、より良い商品のために懸命に働かれる姿に温かさと素晴らしさを感じ、非常に魅力的に思えました。

後日、創輝王に関する詳しい取材をさせていただき、私たちが収穫した桑の葉に関する成分や粉末になるまでの簡単な過程などを伺うことができました。特に印象的だったのは、創輝王で扱う桑の栄養素の多さでした。カルシウムの含有量が植物の中でも最も含まれている他、食後の血糖値上昇を抑制する成分も非常に多く含まれているなど、桑に対する考え方が一気に身近になりました。個人的に青汁というと、高齢の方がよく飲まれているイメージがありましたが、体に取り込まれる糖の量が抑えられたり吸収が緩やかになる部分は、体型を気にする若い方にも魅力的に感じられる成分が多くあるのではないかと感じ、友人にも勧めてみようと思いました。

先程も書いた通り、私自身はあまり青汁などの健康食品に手を伸ばす機会が少なく、創輝王に関しても縁のないものだと考えていました。しかし、収穫や取材を通して人々の健康を支え、八王子に根付く歴史ある桑を食用として発展させ、新たな価値を創造する姿勢に圧倒され、ある意味で福祉とも繋がるのではないかと感じます。また創輝王だけでなく、スーパーや売店などのお店に並んだ商品には、多くの時間と手間はもちろん、多くの方の働きや熱い熱意があり、愛情が込められたものなのだと実感しました。

八王子を代表する名産品の一つを肌で感じ、知識としても蓄えることができたことは本当に貴重な体験であり、今後もさらに知られていくべき存在であると思います。今回の記事で少しでも創輝王に興味を持ってくれる方がいらっしゃれば幸いです。

 



 


「八王子の新たな名物?食用桑『創輝』!」UI

皆さん、こんにちは。創価大学三年生のUIです。皆さん、創輝とは何か知っていますか?八王子生まれ、八王子育ちの桑の品種です。そして、驚くべきところは、なんと食用に開発された唯一の桑なんです。桑と言えば、蚕に食べさせるイメージしかないという方もいらっしゃると思います。私も最初は「え、桑?青汁?苦そう…」と思っていました。しかし、この創輝は桑都の伝統を受け継ぎながら世界へ羽ばたく、愛情美味しさ栄養たっぷりの桑の葉でした。

創輝は日本唯一の食用に開発された桑で、栄養価も蚕と国のお墨付きです。栄養面では、カルシウム、カリウム、マグネシウムなどが豊富に含まれています。また、創輝に含まれている成分によって血圧を抑えたり、悪酔いを抑えたりすることも出来るそうです。創輝を粉末状にして売られている「創輝王」を何度か飲んだことがありますが、抹茶と緑茶の中間のような味がして、そのまま飲んでもとってもおいしかったです。私のおすすめは牛乳に混ぜて飲むことです。なにより創輝の桑は他の桑と比べてずっとむしゃむしゃ食べているほど蚕のお気に入り。想像するととってもかわいいですね。ですが、この創輝は作るのになんと55年の歳月がかかり、2008年にやっとの想いで桑の新品種として農林水産省に登録されました。開発者である創価大学の押金教授と連携しながらやっと創輝は生まれました。

また、この創輝を作り続ける社長の熱意は夏の太陽にも負けないほどでした。美味しさにこだわって人の助けになりたいとの想いで会社を経営。いつか「世界の創輝として売り込み、八王子発の創輝を知ってほしい」と笑顔で話していました。無農薬で安心安全、収穫は手作業で、一番おいしいところだけを取るというこだわりがあります。それでもまだ知名度は低く、美味しさを知らない人たちはまだまだいます。

なにより、昔の八王子は桑都と言われるほど養蚕業が盛んでしたが、現在の八王子は桑の葉の面影があまり無く、桑都と呼ばれていたという歴史すら知らない人が多いです。江戸時代では、シュリーマンが八王子へ蚕から取れた生糸をわざわざ見に来るほど価値の高いものでした。創輝を知ることで、昔の八王子を知ることができたり、興味を持つ人が増えたりすることで桑都復活の架け橋になるかもしれませんね。また、桑の面影が無くなってしまった今でも、桑都としての八王子の評価は世界的に高いのは変わりません。取材時に、創輝で染色されたシルクをフランス人の方が高く評価し、自国へ持ち帰ったとお話をしてくださいました。実際に見せていただいたシルクは瑞々しい黄緑色の輝きを自ら放っていました。身近なところから、今も八王子の伝統は世界の方たちへ通じているものがあるんだととても驚きました。

桑都としての八王子にこれまでに無かった食用桑という新しいカテゴリーが生まれました。他の品種よりも1.5倍ほどに大きく育つ創輝のように八王子が大きく飛躍する一歩になるのではないでしょうか。皆さんも、食用桑の創輝、そして桑都に注目してみてはいかがでしょうか。



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