ASAメールvol.247 2026年4月16日 100年フード
「当たり前だった石狩鍋が、特別だったと気づくまで」 M・A
今回は「100年続き、100年後にも残していきたい料理」というテーマのもと、自分の出身地である北海道の料理について振り返ってみたいと思う。
まず、調べていく中で思い出したのが「石狩鍋」である。
石狩鍋は、その名の通り、サケで有名な北海道・石狩川河口付近にある石狩地方で生まれた郷土料理で、サケやキャベツ、大根、味噌などを使った漁師料理である。
この地域では江戸時代からサケ漁が盛んに行われており、大漁を祝う際、漁師たちは獲れたてのサケのぶつ切りやあらを、味噌汁の入った鍋にそのまま入れて食べていたといわれている。
昭和20年代頃になると、石狩市の地引き網漁が「北海道の水産業の象徴」として注目され、多くの観光客が訪れるようになった。その際に振る舞われた石狩鍋が好評を博し、全国的に知られるようになったとされている。
現在では北海道内でも広く親しまれており、寒い冬の定番家庭料理となっている。家庭によって具材はさまざまで、玉ねぎや長ねぎ、しいたけ、豆腐などが加えられることも多い。また、バターを加えてコクを出す食べ方もある。
このように多くの人に愛されている石狩鍋は、北海道の小中学校の給食にも登場する料理である。
しかし今となっては懐かしい思い出だが、当時小学生だった私は、石狩鍋が献立表に載っていても特に喜ぶことはなかった。今思えば贅沢な話だが、日本海側の港町で育った私にとって、サケは特別な食材ではなかったからである。
それは他の子どもたちも同じだったようで、石狩鍋の日に特別な盛り上がりはなかった。しかし、カレーライスやフルーツポンチの日には、それこそ“大漁祝い”のような盛り上がりを見せていた。
その地域では、朝食にサケの塩焼きや照り焼きが出ることも珍しくなかった。だから当時は、その価値に気づくことができなかったのだと思う。
今振り返ると、上京してから「鮭が普通に出る食卓」が当たり前ではなかったことに気づき、少しもったいないことをしていたと感じている。
また、豚丼が北海道・帯広発祥の料理であることや、ミートソーススパゲティの上にカツをのせた「スパカツ」が釧路の料理であることも、今回初めて知った。
もし当時の自分に伝えられるとしたら、「お前はすごい場所にいるんだ。何気なく食べるな。ちゃんと味わえ」と真剣に言いたい。
「100年先へつなぐ、八王子の桑の食文化」 T・M
私の所属する大学のゼミ活動では、「桑の日ウェルフェス」というイベントを開催しています。このイベントでは、八王子の桑を廃れさせず、さらに発展させていきたいという思いから、桑茶などの桑製品の販売も行っていました。
みなさんは桑都ソースを知っていますか。近年では八王子の学校でも、桑都ソースを使った「桑都焼き」が給食で提供されることもあり、少しずつ広まってきています。私も実際に食べてみましたが、食べにくいということはなく、味噌マヨネーズのような味で、桑都焼きとしてはもちろん、野菜スティックにつけてもおいしく食べることができました。
この桑都ソース(桑都焼き)は、文化庁の「100年フード」にも認定されており、100年先にも食文化を伝えていくことを目的とした取り組みの一つです。私も桑の日ウェルフェスを通して「100年フードサミット」に参加し、プレゼンをさせていただきました。
サミットでは、桑の歴史や現在の取り組み、そして今後どのように広めていきたいかについて発表しました。全国にはさまざまな魅力的な食文化がありますが、その中でも八王子の桑の食文化に対して高い評価をいただき、自分たちの取り組みや八王子の桑が評価されたことを、とてもうれしく感じました。
八王子の皆さんにも、「八王子には桑がある」と自信を持ってもらえたらうれしいです。地元の桑についてもっと知ることはもちろん、他の地域の食文化にも目を向けてみると、新しい発見があるかもしれません。


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