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ASAメールvol.242 2025年11月16日 Dr.肥沼信次

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『遠い時代から届いた「人を思うこと」』 T.M  「もし自分があの状況だったら、同じことができただろうか。」 Dr.肥沼次のお話を聞いて、最初に浮かんだのがこの言葉でした。 八王子出身のDr.肥沼は、戦時中、ドイツで発疹チフスの治療にあたり、最後まで現地の人々を助け続けたお医者さんです。戦手によって日本と連絡が取れなくなっても、自分のことより人の命を優先し、命を懸けて治療を続けたといいます。今回は「Dr.肥沼の偉業を後世に伝える会」代表の塚本さんに、お話を伺いました。 私は最初、「八王子にこんなすごい人がいたなんて!」と驚きました。正直、それまではDr.肥の名前も知りませんでした。でも話を聞くうちに、歴史上の“偉人”というより、同じ人間として尊敬できる生き方だと感じました。人を助けることにまっすぐで、どんな状況でもその気持ちを貫いた姿勢が、本当にかつこいいと思いました。 今の私たちは、スマホひとつで世界中の人とつながることができます。Dr.肥沼の生きた時代は戦争によって祖国との連絡が途絶え、情報を届けることも受け取ることもできなかったそうです。そのお話を聞いて、現代に生きる私たちが「つながる」ことのありがたさを改めて感じました。誰かと話せること、想いを伝えられることは、決して当たり前ではないのだと気づきました。 塚本さんが語ってくださった「いつか桜の下で、ドイツ人と日本人が一緒にお花見をしたい」という夢も、とても印象的でした。国や文化が違っても、人を思う気持ちは同じ。そんな温かい交流が生まれたら、きっと肥沼さんも喜ぶだろうなと思います。 戦争は人と人との心を分けてしまうものですが、Dr.肥沼の生き方はその逆でした。思いやりの心があれば、国も時代も超えて人はつながれる。そう考えると、平和というのは大きなことではなく、日常の中の小さな優しさの積み重ねなのかもしれません。 インタビューの最後に、塚本さんが「Dr.肥沼のように、自分を顧みずに誰かのために動ける人になってほしい」と話してくださった言葉が、とても心に残っています。 「今の自分には、何ができるだろうか」 この問いを胸に、私も身近なところから誰かを思いやる行動をしていきたい。Dr.肥沼の生き方を知った今、少しでも誰かの力になれる自分でありたいと強く思います。